来る3月8日と3月15日の二日間にわたり、「翻訳者に必要なPCスキルセミナー」の講義を担当いたします。
このセミナーは、過去数年間定期的にILC大阪校様で講義させていただいておりますが、今回から若干の変更を加えています。
詳しい内容は、ILC様のホームページにも公開されているので、そちらをご参照ください。
翻訳といえば、大きく分けて
- 原文を正確に読み取る「読解力」、
- 原文を翻訳先の言語で言い換える「訳出力」、
- わからない用語や背景を調べる「調査力」、
の3つの高度な能力が求められる職業です。
さらに言えば、翻訳する業種に関する専門性なども重要となってきます。
また、近年ではIT(情報技術)の知識もその重要度を上げてきています。
また、2016年にGoogle社が、ニューラル機械翻訳(GNMT)を公開して以降、翻訳業界で起きている変化はさらに加速しています。
賛否はありますが、機械翻訳の結果を編集して成果物として納品するPEMT(Post Editing Machine Translation;またはMTPEとも呼ばれる)に対する需要も拡大してきています。
こういった状況の中で、翻訳者には新しいツールやWebアプリへの対応力も求められるようになってきています。
「パソコンは最低限(文字入力とメールだけ)でよい」、という時代は既に終わっています。
発注元から変化する要望に臆せず柔軟に対応できるように準備する必要があります。
例えば現在日本国内でも、何らかの翻訳支援ツール(CAT tool)が使えることは必須条件になってきています。
使用を求められる翻訳支援ツールはエージェントによって異なりますが、一般的に普及しているCAT toolには共通点も少なくありません。
この講義では、受注から、翻訳、納品までのひととおりの流れを実際に体験していただきます。
「このツールは使ったことがないから・・・」で終わることのないように準備しておきましょう。
また、ワイルドカードや正規表現は、翻訳者であればぜひ使いこなせるようになっていただきたい機能です。
Wordやテキストエディタは言うまでもなく、CAT Tool、コンコーダンスでの検索など、さまざまな場面で利用価値のある便利な機能ですが、これらを使いこなせる翻訳者はまだまだ限定的です。顧客から使用を求められる機能ではありませんが、知っておくと強力な武器になると考えております。
この講義の内容が、今後翻訳者として活躍される受講者の皆様にとって有益なものとなることを願っています。
年度末という多忙な時期ではございますが、皆様のご参加をお待ちしております。